……なんか勘違いしてる?怖いんですけど。


わたしも部屋に入ると、龍成はネクタイを緩めソファーに座った。

部屋中に気まずさが溢れる。


とりあえず何か言わなきゃ。別に悪いことをしたわけじゃないんだし。


「……お帰り。早かったね」

「普通だろ」


──会話終了。


……え、なんなの?どうしたらいいの?


わけもわからず苛立ちを覚える。


って、苛立ってどうするよ、わたし。──いや、苛立って当然だ。電話にも出ないでその上折り返しもないんだもの。

それで帰ってきてこの不機嫌なムード。


イラつくに決まってるわ。あんなに会いたいと思った気持ちが消え去った。


わたしはドサッと勢い良く鞄をソファーに下ろした。


「ていうかなんで電話にでないのよ」

「あ?仕事中だったからに決まってんだろ」