……い、今のは痴漢だよね。
龍成が偶然わたしを見つけて質の悪い悪戯をしたとかじゃないよね?逃げていったもんね。
……どうしよう。いや、どうしようじゃない。とりあえず戻らなきゃ。ひかりと新くんがきっと待ってる。
そう自分に言い聞かせて、呆然としながら重い足を引きずる。
「あっ、桜庭さん!もう少ししたら席空くみたいだよ!」
「……あらたくん……」
「宮間、すげぇことになっててびびったよ!……って、どうかした?暗い顔して」
「──っ」
「えっ?!どうしたの?!」
「わたし……っ」
新くんが慌てふためいてる。
当たり前だよ。いきなり泣き出されたら驚くわ、誰だって。
25にもなって、他人の前で泣くなんてみっともない。
でも痴漢なんて初めて遭った。
知らない人に体を触られることが、こんなにも怖くて恐ろしいことだなんて知らなかった。
……怖い。怖いよ龍成。助けて……!
龍成が偶然わたしを見つけて質の悪い悪戯をしたとかじゃないよね?逃げていったもんね。
……どうしよう。いや、どうしようじゃない。とりあえず戻らなきゃ。ひかりと新くんがきっと待ってる。
そう自分に言い聞かせて、呆然としながら重い足を引きずる。
「あっ、桜庭さん!もう少ししたら席空くみたいだよ!」
「……あらたくん……」
「宮間、すげぇことになっててびびったよ!……って、どうかした?暗い顔して」
「──っ」
「えっ?!どうしたの?!」
「わたし……っ」
新くんが慌てふためいてる。
当たり前だよ。いきなり泣き出されたら驚くわ、誰だって。
25にもなって、他人の前で泣くなんてみっともない。
でも痴漢なんて初めて遭った。
知らない人に体を触られることが、こんなにも怖くて恐ろしいことだなんて知らなかった。
……怖い。怖いよ龍成。助けて……!