「本当?」

「じゃあわたしに変わってないって言ったのは悪い意味か!」

「違うっつーの!」

「ごめん新くん、ひかり今虫の居所が悪くて」

「虫の居所?男にフラれたのか?」

「違うわ!それよりあんたはここで何してんの?!」

「見りゃわかるだろ!働いてんだよ!」

「「えーっ!!」」


よくよく見ると、新くんは頭にバンダナを巻き、袖を捲ったワイシャツに黒のエプロン姿。

まさにこのお店の従業員の格好だ。


「男性客が多い中でなんだか騒がしい女性客がいるなと思ったら、まさか高校時代のクラスメイトだとはな」

「うそ!そんなうるさくしてないし!」

「充分うるせぇよ!」

「聞いてよ新くん、ひかりってば」

「余計なことは言わないでよ!」

「いいよ桜庭さん!気にしないで言っちゃって!」

「っだー!黙れ新!ていうか華乃、もう桜庭じゃないし!」

「えっ?結婚したの?!」

「したばっかりで新婚も新婚よ」