それに少し時間が経ったから、今なら落ち着いて話が聞ける気がする。


だけど、やっぱりわたしからは聞けない。


意地を張ってるだけなのかな。どうしても聞けないの。


このままでいるのも嫌なのに聞くこともできないなんて、わがまますぎて自分に呆れる。


──それとなく話をもっていけばいいのかな。

龍成が話しやすくなるように、わたしから。……今日の夜、やってみようかな。わたしにできるかな。


そんなことを考えながら仕事を終え携帯を見ると、龍成からメッセージが届いていた。


『急に仕事の飲みがはいったから遅くなる。一緒に帰れない。マンションか実家に帰るかお前の好きにしていいから』


──。


胸が異常に騒ぎ出す。

鼓動が速まり、息苦しくなっていく。


仕事の飲み?…って、またあの店に行くんじゃないよね?


また…あの子に会いにいくんじゃないよね……?