「奏は適当に盛るけど食べれるよね?」


テーブルの上に並べられた料理を、星ちゃんが取り分けていく。


「俺はなんでもいいよ。星も好きなの取って食べな!」

「うん。華乃ちゃんも嫌いなもの無い?」

「はい!わたしも大丈夫です!すいません取り分けてもらってしまって…」


なんせわたしの近くに何もないもので。


「全然!職業病って感じだから気にしないで?」

「ありがとうございます!」


こういう時は甘えた方がいいよね。でしゃばったら空気悪くなっちゃう気がするもの。


色々と食べながら飲んでいると、確かにおいしいと思う。店の雰囲気を裏切らない味だわ。

龍成の先輩、すごいな。


「ねぇ、この店の『Via Lattea』の意味は何?」


ふいに星ちゃんが奏くんに訊ねた。


あ、この店そんな名前なのね。全く気にならなかった。


「Via Lattea『ヴィア ラッテア』。イタリア語で天の川の意味だ。星の名前もイタリア語だろ?その由来の七月七日の誕生日はこのVia Latteaに繋がる。偶然だけど、お前の為の店なんじゃないかと思ってた。まぁ此処との方が俺は長いけどな?」