「せっかく『お帰り』ができたんだから、鉄板の『ただいまのちゅー』はないんですか?旦那様」

「てめ、ここで押し倒すぞ」

「え゛?!なんで?!」

「玄関でするのも燃えるだろ」

「やめてよ。もういい、わたし寝る…」

「──」


──可愛いすぎてしょうがねぇんだよ。俺の心はたやすくお前にさらわれる。


お前のすること、口にすること、こんなキス一つでさえも、何もかもが俺には薬のように心が癒されていく。


俺が求めていた安らぎを、お前は何の出し惜しみもなく俺に注いでくれる。


淀んだ世界から俺の居場所に戻ってこれたような気がするんだ。


そして思う。

お前に出逢えて、最高に良かったと。


「……ただいま」

「お帰り」