「た、ただいま」

「お帰りお帰りー!びっくりした?」


次は子供みたく抱きついてくる。


なんでいるんだよ、と思いながらも、華乃がいることの喜びの方がでかい俺。自分がうぜぇ。


「見てわかるだろ、この反応。どうやって入ったんだよ。まさか今までの高所恐怖症は演技か」

「はあ?!ちげぇよ!お母さんと來乃に連れてきてもらったの!実家に帰ったらそんなことで帰ってくるなって言われちゃったよ。ひどくない?來乃ははしゃいでついてくるし」

「來乃ちゃん、ずっと来たがってたもんな」

「お陰で新婚さんっぽいことできたよ」

「ん?」

「龍成に『お帰り』って、ずっと言いたかったんだ。いつも一緒じゃなきゃ入れないから言えなかったでしょ?」

「──」


……こんなんで可愛いどころか少しの感動を覚えた俺って、相当な華乃バカだろうな。