「僕は五十嵐さんに楽しんでもらえればそれで…」

「それならなおさら。盛り上がりに欠ける。そんな物、しまってください。あ、最近結婚したんですよね?おめでとうございます」

「……ありがとうございます」


何考えてやがるんだ、こいつ。あからさまな嫌みじゃねぇか。


──まさかこれが目的か?


「じゃ、女の子が来る前に早く外してくださいよ」


悪どい笑顔。


スキャンダル狙いか?まさかどこかにマスコミが……


「お待たせいたしました、アキちゃんとマナちゃんでーす!」

「「いらっしゃいませー!失礼しまーす!」」


悩む暇もなく女の子が二人登場。


五十嵐が俺に目配せをする。


「……」


店の中にまでマスコミがいるわけねぇよな。


……悪い、華乃。


俺は指輪を外しポケットに入れた。