星ちゃん、お酒弱いんだ。意外だな。

というか奏くんの星ちゃんへの気遣いと優しい目が、彼女を本当に大事に想ってるって伝わってくる。


二人の空気がすごく穏やかでわたしまで笑顔になる。


「じゃあ注文するわ」


龍成が注文している間、奏くんがわたしに声をかけた。


「こいつの相手、苦労してるだろ」


少し苦笑い気味で龍成に視線を送りながら言う奏くん。


「そうですね。さすがわかってらっしゃる」

「ぶはっ、ま、長い付き合いだからね。俺も散々こいつに迷惑かけられたし」

「何言ってやがる」


注文を終えた龍成が会話に入る。


「え?お前が馬鹿だって」

「男の嫉妬は見苦しいぞ奏」

「お前の何に嫉妬するんだよ」

「俺ほどいい男はいねぇからな」

「どうやったらそこまで自意識過剰になれんだよ」


男性陣が息もつかないテンポで話しているうちに、グラスが運ばれてくる。