「─いった~……」


結構な衝撃だったよ。何を考えてんだ、こいつは。

と、起き上がろうとしたら。


「わっ」


すかさず抱きしめられる。


「馬鹿、起こし方下手くそだな」


耳元で聞こえる龍成の声が、妙にくすぐったい。


「お、起こすのに下手とかあるの?」

「あるだろ。つーかおはようのちゅーは鉄板だろ」

「…ほんと龍成ってちゅー好きだよね」


ネズミかってくらいことあるごとにちゅーちゅー言ってる気がするんだけど。


「いや」

「いや?」

「華乃が俺とちゅーしたいって思ってるだろうから言ってやってるんだよ」

「……なんだそれ」