そう思えるほど、結婚してからの龍成は甘い。


龍成がこんなに甘くなるなんて、嬉しいけどこっぱずかしい。


だってわたしまで変なことを口にしてしまいそうなんだもん。


「別人なわけあるか。俺ほどのイケメンはこの世に二人も存在しない」


そういうことじゃないっての。


「あ~、はいはい」

「こら。ちゃんと聞け」

「聞いてるから~」

「この、言うこと聞かないとちゅーするぞ」

「できるものならどうぞー!」


ふんっ、と調子よく言った後、わたしは布団に潜り込み体をぎゅっと丸めた。


──なんなのこの流れ。バカップルじゃん。相当あほだ、わたしも龍成も。


「……。」


あれ、何の反応もない。


どうしたんだろう。いつもなら「ガキ」だとか罵るのに。本気で呆れちゃったのかな。