わたし、なにしてんの?慣れないことに動揺しすぎだよ。


「一応ってなんだよ。昨日の当てつけか?」


頬杖をついていた龍成が顔だけわたしの方に向けて、仏頂面を見せる。


「は?当てつけもなにもないでしょ。わたしは結婚しないって言ったんだから」

「華乃…」


龍成が何か言いたそうな顔をしていたけれど、携帯に着信が入り言葉が途切れた。


「ったく…」


あからさまに不機嫌な顔をしてポケットから携帯を取り出し、龍成は電話に出た。


「あ?もうすぐ?俺ら先に席に着いてるから。先輩もいるしそのまま入ってこいよ」


ドキ。


「も、もうすぐ来るの?幼なじみ」


通話を終え携帯をしまう龍成に訊ねる。

また妙に緊張し出すわたし。


「おー。つーか、さっきからなんか固くね?」

「え、そ、そう?普通じゃない?」


ないよね!これで普通なわけあるか!