寝てるのにきつく抱きしめすぎだよ。今もわたしの腰を抱いてるし。


…なんて心の中で文句を言いながら、もう一度幸せを堪能しようと龍成の腕の中に再度潜り込む。


今度はわたしが抱きしめちゃうからね!と、ぐっと手に力を入れて龍成に抱きつく。


「……ふ。」


思わずこぼれてしまう笑み。

寝ているのをいいことに、また龍成の胸に顔をうずめる。


──熱い体温。心地いい肌。


吸い付くように、わたしの体はぴったりと龍成の体にはまる。

やばいよ、もう離れたくない。


「ちょっと華乃ちゃん、あんまり可愛いことしないでくれる?」

「わ、起きたの?」


笑いを含んだ龍成の甘い声。

驚きながらも、その声はわたしの脳内を更に緩くだらけさせ、思考回路がふやけていく。


「こんな熱い抱擁されたら、寝てるわけにはいかねぇだろ」

「んぐ」