「……ずっと、この時を待ち焦がれてた」


わたしの頬を優しく撫でる龍成の声が、切なげに聞こえてくる。


いつも強気で自信過剰なのに、ほんの少し余裕がないように見えた。


「…わたしも」

「理性もなにも残らないと思う」

「…うん」

「俺の愛を全部、一つ残さずお前の中に刻みつける」

「…わかった」

「俺の全てを、お前に捧げるから」

「…うん」

「…逃げようとしても離さねぇ」

「逃げるわけないでしょ」

「……愛してる」

「…わたしも、愛してる」



わたしを愛してくれるその愛しい手を、ぎゅっと握り返した。