「は?別にんなこと思ってねぇから」

「次は美味しく作れるように頑張るから」

「華乃ちゃん、俺の話聞いてる?」

「残していいから」


……全くこいつは、手のかかる女だな。


「じゃ、今度一緒に作るか」

「──え」


俯いていた顔をぱっと上げた華乃。

そんなに驚くことか?


「一緒に作った方が楽しいし、美味しくなるかも」

「……それって、女の価値を問われない?」

「問われるか!」


何をそんなの気にしてんだよ、今更だろうが。


「そう?……じゃあそうしよう。たまにはいいこと言うね、龍成」


ふっと安堵の表情を見せる。

それほど頑張っていたんだろうな。


「たまにじゃねぇだろ。俺は常に…」

「ありがとう。楽しみ」

「──。」