「無理して食べなくていいよ。やっぱりわたしに料理は向いてない」

「んなことねぇから。無理なんてしておりません!」


食えることは食えるんだよ。

ただ、美味しいかと聞かれたら即答はできないな、くらいのもんなんだ。


……それはそれでひどい言いようだな、俺。


「これで本当に美味しいと思っているなら、味覚おかしいよ」

「や、おかしいのはお前だ!つーかなんだその言いぐさ!」


どんなひねくれ方だよ!


「……龍成が作った方が美味しいね」

「そうか?俺は自分で作ったもの、好きではねぇな」

「…嘘つき」

「嘘じゃねぇ。どんなに美味く作れても、人の料理の方がどうしても美味く感じるんだよ」

「……ごめん、下手で」


──って、なんでここで謝るんだよ!謝るとこじゃねぇだろ!