お前を不安にさせたくないんだ。

俺と結婚したことを、後悔だけはしてほしくないんだ。


これほど情けなくだせぇことを思っている俺に、どうか気づかないでいてくれよ。

自分の弱さが、俺自身許せないんだから。


俺の愛の重さに、お前は耐えてくれるだろうか。



─────



──ん、……なんだ?この違和感……。


頬をつつかれる感覚。

不快感を覚え、うっすらと目を開ける。


「あ、起きた?」

「……なにしてんだよ」


目を開けると、華乃が上から俺をのぞき込むようにしながら、俺の頬をつついていた。


「いつまで経っても起きないから」