どうやってもにやけてしまう俺は、華乃の頬を軽く撫でた。


「……ふふ」

「なんだよ、起きてんのか?」


信じらんねぇ……。

まさか俺が女に遊ばれるとは。

初体験だよ、このやろう。


「このまま寝かせてよ。最高の枕。わたしだけの、わたし専用のなんだから」

「──っ」


やばい、可愛いにも程があるぞ。これは犯罪の域だ。


「他の誰にもあげちゃだめだからね。……おやすみ」

「……誰がやるかよ」


俺の言葉が聞こえたのか聞こえなかったのか、それから本当に華乃は何も言わなくなった。

……今度は寝たんだろうな。


「……」


──俺は馬鹿だ。

自分で呆れるくらい、反吐が出そうになるくらい、馬鹿で馬鹿でぶん殴りたくなる。