「居心地はどうですか?」


無理に平常心でいようと、欲を締め付ける。


消え去っていた煩悩が、一撃で戻ってきた。


『もっと触れたい、もっと、ずっと先まで』


そんな想いが俺を惑わす。


「……」

「…華乃ちゃん?」

「……」

「シカトか?」

「……」

「……嘘だろ」


軽く頬をつねるも動く気配がない。


こ、こいつ……。


いくら薬が効いているせいもあるからと言って、この状況で寝るか?

人の心を弄びやがって……。


それだけ居心地がいいってことか。