──まだ昼下がり。

このだらけた時間が、次第に睡魔をもたらす。

……つーか、


「なんでそんなに離れているんですか?」


L字型のソファー。

華乃は端に座り、俺と距離をとっているように見えるほど離れた所にいる。


「特に意味はないけど」

「それならこっち来いよ」

「え、なんで?」

「なんで?の意味がわかんねぇ」

「こんな広いのにわざわざ?」


……新婚だっつーのに、それも今まで大していちゃついたことがないってのに、どうしてこいつはこうなんだ。


「関係ねぇ。お前の居場所は俺の隣」

「……嫌」

「嫌じゃねぇよ。デートだって言っただろ」

「嫌なものはいや」


……なんでここまで可愛くねぇんだよ。