「何言ってやがる。ここまで健全な好青年がどこにいるんだよ。結婚するまで手を出さないって、今時激レアな清らかさだぞ」

「今まで遊びまくってたくせになにが清らか……」


冷ややかすぎだろその視線。


「このやろ。いいか、俺がこんなに誠実なのは史上稀にみるほどの…」

「あーもういいから行こう!どスケベ!」

「どっ……」


男はスケベで当然だろうが!

ってそうじゃねぇだろ俺!


「龍成って一つ言えば三倍で返ってくる!お母さんみたい!」

「お、お母さん?!」


お父さんの次はお母さんかよ!


「ほら、行くよ!準備して!」

「こ、この女……」


とんだクソガキだ。


──ま、この調子だとなんとかなりそうだな、俺の煩悩。

華乃の体調が完全によくなるまでどうにか保ってくれることを願おう。