「昨日のだから味落ちてるだろ」

「そんなことないよ。わたしこれ好き」


──あの後、華乃はひたすら寝ていた。

俺が寝る前に無理矢理起こして薬を飲ませたけれど、またすぐに眠ってしまった。


朝になり熱は下がったようで、食欲が出たのか結構な食べっぷりだ。


「いくら雑炊でもちゃんと噛んで食べろよ」

「わかってるよ、お父さん」

「誰がだよ!」

「言うことお父さんみたいなんだもん。そういえばなんで朝までソファーで寝てたの?移るもんじゃないしベッドで寝たら良かったのに」

「……気づいたら寝てたんだよ」

「ふーん。風邪引いてない?」

「大丈夫だよ」


……一緒に寝たら手を出しそうだったから、とは言えない。


俺、このままだと華乃が完治するまで一緒に寝るなんて無理だぞ。マジでどうすっかな。


「ねぇ、行きたい所があるんだけど」