「さ、行こうね」


やっぱり……。


助手席のドアを開けられ、降りるしかない状況にされる。


「一応病人なのに」

「だから俺がしっかり看病するって」

「できるの?」


できそうには到底見えないんですが。


「任せろ。得意だ」

「か、看病に得意なんてあるのか」

「いいから任せとけって。マジで抱っこするか?」

「いらない」


こうなったら降りるしかないんだ。

実際早く寝たいと言うか横になりたいし、会話するのもしんどくなってきた。

……仕方ない。


重い体をゆっくりと動かし、車から降りた。

龍成はすかさずわたしの腕を取り支えてくれる。