「おはよう、龍成」

「華乃ちゃん可愛すぎ」


そう言って抱きしめる龍成の腕の中。

幸せとしか言いようがなかった。


──昨日の結婚式の二次会は終始盛り上がり、そのまま三次会、四次会まで続き、式場に併用してある宿泊施設に二人で戻る頃には明け方近かった。


飲みすぎないようにしてはいたものの、最後はどうやってここまで来たかうろ覚え。


たしか部屋に着いて即行でベッドに倒れた気が……。

うわ、顔洗ってないよきっと。服も着替えてないし…っていうか時間大丈夫なのかな?幸せに浸っていたいけど、飛行機の時間が…。


「ね、龍成」

「…参ったな」

「え?」


参ったって、なにが?もしかして時間過ぎた?!


「今、なん…」


すると龍成はむくっと起き上がり、軽く身だしなみを整えて備え付けの電話を手に取り掛けだした。