「──あっ!本当だ!これは早速殴らないとな!」

『はあ?!これは違うだろ!』

「龍成のせいで泣いたよな!よっしゃ、俺から」

「いや、俺に先にやらせてくれよ」

「俺からだ!」


押し寄せるように男子が龍成に向かってくる。


『待てって!これは』


龍成は喋っている途中で男性陣に揉みくちゃにされ、終いには胴上げが始まってしまった。


もうこれ、収拾つかないんじゃ…。龍成の友達のテンション、すご…。

と、若干後ずさり気味で見ていたら、先輩にマイクとカクテルを差し出された。


「一生乾杯が始まらないから、華乃ちゃんよろしく」

「あ、はい」


呆れ半分の笑顔の先輩からマイクを受け取り、わたしも無駄にテンションを上げた。


『それでは、かんぱーいっ!』

「「「かんぱーいっ!!」」」