「龍成さん!」

「お、有希ちゃん。お疲れ」


わたしがパニクっているのをよそに、無邪気に有希ちゃんが駆け寄ってきた。


「お疲れ様です!相変わらずラブラブですね!」

「だろ?参っちゃうよな、華乃ちゃんのラブ攻撃」

「なにその勘違い発言」

「うー、やっぱりわたし二人に憧れますー!」

「ええ?!」

「有希ちゃんマジで可愛いな!」

「あっ、だめですよ、華乃さんの前で」

「……どうぞご自由に」


わたしは龍成へにこっと営業スマイルを向けて華麗に回れ右をし、機敏な動きでキッチンに足を進めた。


「あ~あ、華乃さん妬いちゃったのかな」

「…それなら可愛いんだけどな」


妬くかこんなんで!付き合ってられないだけじゃ!


ふんっ、わたしはそんな飲みなんて行かない!絶対行かないんだからっ!!