「龍成!お前今日は潰すからな!」

「はあ?!明日から新婚旅行だっつーの!」

「んなの気合いでいけよ!」

「無理だろ!あほか!」

「お前がマジで結婚するなんて世も末だよな!」

「俺、最後まで冗談だと思ってたわ!」

「大がかりなドッキリみたいな」

「お前らどんだけ失礼なんだよ!」

『はいはーい!みなさん積もる話もあると思いますが座ってくださーい!』


スピーカーからマイク越しに聞こえた、どこか聞き覚えのある声。

立っていたみんなが戻り出す。


この声って…。


「あっ、先輩!」


マイクを持って立っていたのは、この間飲みに行ったお店のオーナー、龍成の先輩。


「結局仕切り役は先輩かよ」

『この中で最年長だからな。それにこの店を貸し切れたのは俺の顔があってのことだ』