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その後は順調に式を終えることができた。


安堵したのも束の間、すぐに親族紹介、そして写真撮影。

目が回りそうな慌ただしさに、ただ身を委ねるしかなかった。


「俺もうだめだー。体動かねぇ」

「これから披露宴でしょうが!」


披露宴までの短い休憩時間、控え室で龍成がソファーに座りうなだれていた。


わたしもドレッサーの前に座り、鏡を見ながら大きく息を吐く。


気持ちはわかるよ。わたしも疲れたもん。けどね、これからと言ったらこれからなんだよね。


「華乃ちゃん、一人でなんとか」

「できるか!」


なにを言うかこの男!


「あ゛ー、この重苦しい空気に疲れんだよ」

「披露宴は重苦しくないでしょ」

「会社関係の奴らばっかだから疲れんのは同じなんだよ。飲んでいい?」

「どうぞご自由に。あなたのご両親がお怒りにならなければだけど」