龍成は平然とした声と態度。

全然緊張していないのかな?


「桜庭華乃さん、あなたはこの男性を、健康な時も病の時も、富める時も貧しい時も、良い時も悪い時も、愛し合い敬いなぐさめ助けて、変わることなく愛することを誓いますか」

「はい、誓います」


わ、ちょっと声が震えちゃったよ!わたしったら、緊張しすぎ!


恥ずかしさでいっぱいになりながらも、なんとか指輪交換は問題なく済ませられた。


いや、問題は次よ次。


「では、ベールを上げて、誓いのキスを」


牧師さんの言葉で、龍成がベールを上げる。


普段と変わらない表情の龍成。見つめ合ったまま、時が止まる。


──え、す、するよね?

謝るタイミングがなかったけど、さすがにさっきのこと、根に持ってしなかったりなんて……。