扉が開き、厳かな空気の中、お父さんと一歩ずつバージンロードを歩いていく。


本格的な教会のような大聖堂。


アンティークなステンドグラスから差し込む光のもとで、タキシードに身を包んだ龍成がわたしを待っている。


そこにたどり着くまでが、すごく長く感じた。今までのことが思い出されて、泣き出してしまいそうになった。


お父さんと龍成がお辞儀をして、わたしは龍成の隣へ。


無事にバージンロードを歩けたことに一安心すると共に、本当にお父さんの手から龍成のところに巣立ったんだと実感する。


嬉しいような、寂しいような、何とも言えない感覚だ。


牧師さんを目の前にし、聖歌隊による賛美歌が流れる。そして牧師さんの聖書朗読、祈祷。


次は結婚の誓い。


「神田龍成さん、あなたはこの女性を、健康な時も病の時も、富める時も貧しい時も、良い時も悪い時も、愛し合い敬いなぐさめ助けて、変わることなく愛することを誓いますか」

「はい、誓います」