華乃は俺の言葉に赤くなりつつも、固い笑顔で軽く手を振った。


「ん」

「あ」


車を出ようとしたのに、振り返る華乃。


「なんだよ、まだ…」

「──」

「…愛してる」


そう一言告げ車を降り、足早に家に入っていく。


「……殺す気かよ」


キス一つでフリーズする男、神田龍成25歳。


意外にも自分が純情だったことに、今頃になって気づかされた。