「莉子…好きだったよ… ありがとうな、本当に。 莉子を幸せにしてくるのは俺じゃない。莉子の幸せ願ってるから…」 背を向けたわたしに翔くんは最後の言葉を残し去っていった… わたしは走りだした翔くんの車を見た。 もうあの車に乗ることも…ない。 どうして…わたしたちどうしてこうなってしまったの。 途方にくれたままわたしは家に入る。 「おかえり、莉子」 いつも通りお母さんが笑顔で出迎えてくれる。