カチカチカチ…




腕時計の小さな秒針の音がする。


時間が止まればいいのに…こんなの夢だって


誰か…誰か助けて…




「莉子ごめんな、俺バイト行かなきゃ行けないんだ…こんな時にごめん…」


時間はどんどん過ぎていく。

離れたくないのに…



「翔くんのばか…っ…
好きだよ、わたしこの先ずっとずっと翔くんのこと大好きだから…っ!!」


勢いよくわたしは車から降りる。


翔くんの車に背を向けたまま。