「私の親はいない。家族もいない。
あんまりこの話はしたことがないんだけど湘君だから話したい。
私のお母さんは大嘘つき。
私を使って嘘をついて兄と弟を連れて出ていった。私のお父さんはとても優しくて嘘のつけない人だった。
お父さんの所に残された私はお父さんが大好きだったの。
でもね、小学校2年生の時にお父さんが私に大きな嘘をはじめてついたの。」
「うん…」
「お父さんは一生きなを守るからな。って。そんなこと嘘だとは思わないの。ありがとうって思うの。でもね、ちがうの。お父さんは仕事に行ったきりもう帰って来なかったの。」
「…」
「私はそれから施設で暮らしたの。施設を出て上京してきたの。だからね、嘘はついて欲しくないの。でもね、本当の事も見抜けないの。画面の中の湘君は…いつも…自分のことを隠してる気がするの…」
「きな。もういい、ごめん」
「俺、嘘ついてない。きなのことほんとにすきになった。
俺も両親はいないんだ
三年前、俺が20歳のとき事故で死んだ。
それからスカウトされてモデルになって俳優になったんだ。
じゅげむできなのこと見たとき好きになった。一目惚れした。
わかってる、こんな出会った日にこんなトントン拍子に俺のこと知れなんて言わない。
俺、確かに仕事では嘘ばっかついてる。
愛想笑いしてやりたくないことやって嫌になる日もあるんだ。わかってほしい」
「…ごめん…なさい…湘…君。」
「泣かないでくれよ、きな」
「私、、」
「約束するよ、きな。嘘はつかない、大好きです。俺と…俺のそばにいてください」