ーピロリロリンー
私の携帯の着信がなった
不明な発信者…誰だろう
「ごめんなさい。仕事かも。ちょっと行ってきます」
急いでテレフォンルームに向かった
「もしもし」
「俺。」
「ん?ごめんなさい、どちら様ですか?」
「湘だよ。」
「湘くん??!なんで?!」
「あの後名前も聞かなかったから。なんか気になってマスターに聞いちゃったんだ。マスターのことは悪く思わないであげてな。個人情報なんて無理だよ〜って言うマスター押しのけて聞いてきたんだから。マスターときながメル友でよかったよ。」
「いや、あの、全然大丈夫です…」
「いまどこにいるの?」
「あの、ちょっと病院に…」
「こんな時間に?!」
時計を見ると23時をまわっていた
「ちょっと男の人とぶつかっちゃって。疲れのせいでそのまま倒れちゃったみたいで…」
「すぐ行く。どこ」
えっ、なんで…私。湘くんと普通に電話しちゃってるよ?しかもすぐ行くって?
なんで?
病室に戻ると春樹君がいた
「あの…」
「あ?なに?お前さ湘って
あの湘じゃねぇよな?」
「えっ…聞いていたの?」
「そーなのかちげぇのか教えろ」
「うん。そう」
「ふーんおもしれ。いいこと考えた」
そう言って春樹君は笑った。
ーガラガラー
「きな!!」
湘君だ。
「は?お前なんでここにいるんだ」
湘君の顔が強ばった。
「湘こそなんでここにいるの?(笑)今頃スクープで大変だと思ったんだけどなぁ」
「あんなデマ知らねぇよ。」
よかった…デマだったんだ…
「んで?きなと湘はどーゆう知り合い?」
「俺の一目惚れ相手」
?!
いま…なんて言った?…
一目惚れ相手…?私が?…
「へー。悪いけど湘。きなは俺の玩具だから」
そう言うと春樹君が私にのしかかってきた。
「ねぇ!やめてよ!ねぇ、春樹…くんっ…」
バンッ!!!!!
「やめろ。」
音とともに体は軽くなり起き上がると春樹君の胸ぐらを湘君が掴んでいた。
「ねぇ、やめて湘君、お願い…」
怖くて泣いていた。
「本気なんだな湘。」
「あぁ。」
「ただこの子とぶつかっちゃって倒れたから病院連れてきた。可愛かったからちょっと遊んでやった。それだけ。離せよ湘。」
「二度と近づくな」
「親友に向かってそれは何?湘」
「待って!親友?なに?わかんない…」
「ほーら湘くーん。きなが困ってるよ?説明したげな。じゃあ俺は帰る」
「あの…ほんとごめんなさい…ありがとうございました…」
「さっきまでのは取り消し。さすがの俺でも湘が相手なら叶わない。手を引くよきなちゃん♪」
そういって帰っていった…
「ねえ…湘君…あの、、なんで来てくれたの?私とはさっきじゅげむで会ったばっかりで。それでさっきの一目惚れって…ごめんわかんなくて。ちゃんと教えて欲しい」
「その前に。」
「はい…」
「春樹にどこまでやられた。あいつは手が早い。どこまでやられたか答えてくれ」
怖い…湘君がとても怒ってるように見えた
「あのっ…ちゅ、っ…」
言う前に遮られた。
私を抱き抱える優しい匂い
嗅ぎなれたタバコの匂い。
ちょっとだけ口から伝わるタバコの味。
いま、私は湘君にちゅーをされています。