朝、守に叩き起こされた。

猫のクロベエは俺の胸の上でまるくなっていて重たかったが、どこからか犬がやってきて顔をベロベロ舐められる。

クロベエよりも少し大きいが、褐色の仔犬のようだった。

「佐東君、オハヨ。動物に好かれるね。」

奈央先輩が笑いながら、寝起きの俺を置いて犬と猫を抱いて行ってしまう。

俺は慌てて着替え、リビングに向かった。


「お早う、よく眠れた?寒くなかった?
ご飯食べちゃって。」

お母さんが陽気に勧めてくれる。

「食ったら、雪かきだぞ。
良い運動になるぞ。」

守がニヤニヤ笑っている。

「佐東君はお客さんなんだから、ちょっと体験するだけで良いのよ。

クロベエとチャコと遊んでれば?」

奈央先輩はそう言うが、守の手前、ゴロゴロ遊んでいる気にはなれない。

取り合えず、借りた上着と長靴を履き、手袋をはめる。

「あっと、帽子も。」

彼女が野球帽子をかぶらせてくれた。