学校の理事長は、祖父が最も信頼する友人がやってるので学校での私の様子は祖父に筒抜けだ。
きっと私が家の名前を汚すような事をしないか監視するために入学しろと言ったのだろう。
学力が足りなくてもお金を払って入れると言っていたが、私はあまりこの家に世話になりたくなかったから首席で入学した。
そうすれば奨学金でお金を払わなくても済むからだ。
私が住んでる家は、平安時代から続く名の高い家の為すごく広い。
祖父や叔母達は主屋に住んでいて私は、一人離れに住んでいる。
離れと言っても結構広い。
「行ってきます」
今日も返事は来ないとわかっていながら行ってきますと言って学校へ行く。

学校は家から歩いて10分の所にある。
朝の下駄箱は学校の生徒がたくさんいて少し騒がしい。
生徒がたくさんいても、私に話しかける子はいない。
私のクラスは2年1組は下駄箱の近くの階段を上がってすぐ左にある。
窓辺の後ろの自分の席に座って本を広げる。
そして誰にも話しかけられず話しかけず、これが私の日常だ。
この日までは…