「ままー、ぱぱー早く早く」
「そんなに急いでもペンギンは、逃げないぞ」
「ほら梔乃(しの)、ちゃんと手を繋がないと危ないでしょ」
「うん」
楽しそうな親子の声
これは夢?…違う…これは…

ジリリリ
「っ…」 
どうして今更こんな夢…
昔の夢を見た…まだ幸せだった頃の、小さい頃の記憶…
「はぁ……」
ベットから降りて制服を着る。 
私が通う高校は、都内でも有名なお金持ちの人が通う私立高校。
偏差値が73と高く、一応私の祖父が経営する高校で、制服が可愛いと話題になっている。
シスターのような黒いワンピースで、腰のとこに白いリボンが巻いてあって、襟元には白いリボンが結んである。
まあ、可愛いと言われているのもわかる。
でも、私は制服に釣られて入学したわけじゃない。
祖父に入学しろと言われたからだ。