「……あのさ、挨拶してみればいいんじゃないか?」

「……挨拶……?」

「そう。お前からおばさんに話しかけるんだよ」

「……本当に、それでいいの?」

心配そうな目に、オレは迷いを振り切るように告げた。

「大丈夫だって。お前とおばさんは同じ人間同士だろ?言葉が通じれば、あとは思ってることを話すだけだ」

とことこと歩いていき、窓枠にぴょんと飛び乗る。

「じゃあな。スープごちそーさん」

そのままオレは振り返らず、少女の部屋を後にした。