「……どうぞ」

「あ……ありがとな」

少女にお礼を言うも、目の前にある美味そうな匂いに耐えられずにオレは口をつけた。
ほどよい温度の優しい味が、体中にほかほかと染み込んでいく気がして。
空っぽだった腹が満たされていく。

オレがせっかちになるくらい夢中で飲んでいる間、少女は近くにしゃがみこんでいた。

あっという間に飲み干し、少しぽこりとした腹をなでる。

「美味かった〜……」

生き返ったような心地もしたオレはすっかり気が抜けていた。