サニーたちの待つ場所に戻ると退屈そうに欠伸してるサニーとクスクス笑ってる影と経たりこんで涙を流しているやよいさんがいた。もう会えないとわかって涙を流しているのか、何がなんだかわからないわ。


「何しているの? 早く行くわよ」


やよいさんの腕を強く引いて立たせた。涙を流しながらブツブツと何かを呟いていたので、黙ってほしかった。


「サニー、影。一番の見所よ」


クスッと笑って影は着いてきた。サニーも欠伸をしながら着いてきた。ただ罰を受ける姿が見たいだけだからどうでもいいんだと思うわ。


「いつ牢から出すかはあなたが決めてよね、サニー」


どうせ食べるんだろうからね。人肉のどこがいいのかしら。虫とほとんど変わらない気がするわ。


「様子見て決める」


眠そうな声で返してくるとサニーは黙って影と一緒に着いてきた。


同じ道を同じ話をしながら同じ花を与え、名前だけを変えて話した。相変わらずブツブツ言っているのがまた腹立たしいわ。


「さあ着いたわ」


重くて分厚い扉を開け、牢の中に入った。三人は相変わらずの反応で着いてきた。


「やよいさんにはこの黄色い薔薇の牢に入ってもらうわ。ここは贅沢の牢。私にとっての黄色は贅沢の象徴だからね」


錆び付いて


ギィィィィィ


となる扉を開いた。


「自分が溺れるくらいの薔薇で楽しみなさい。ここにはいるものの大半は餓死するわ」


ブツブツ言っていたやよいさんは牢にはいる瞬間ハッキリと言った。


「さつきちゃんには会いたくない」


同じ願いなのかわからなかったけれど、その願いは叶えると決めたから反応しなかった。



二人の姉妹は隣同士の牢で静かに過ごしているわ。あの後で牢に近づいていないけれど、なぜかわかるの。サニーが落ち着かないからかもしれないわね。影は愚かな二人を見て満足したのかほとんど話さなくなったわ。たまにクスッと笑うくらいよ。