「着いたわ」


気づくとサニーは人の姿になっていた。やよいさんをどうするのか決めたように誇らしげな笑顔を浮かべていた。


「サニー、やよいさんをどうしたい? 」


好きにしていいとかあげるとか言っても実行するのは私なのよね。説明がめんどくさいだとか何かと理由をつけて私の後ろを影と一緒についてくるだけなのよね。


「俺は"贅沢"がいいな」


贅沢……。ならさつきさんは痛みがいいかしらね。隣だし、やよいさんともある意味にてる分かりやすい"愚かの浄化"だからね。


「ではさつきさんから着いてきてください」


館の奥の今までの生け贄がたくさんいる小分けされた部屋がたくさんある部屋に案内した。


「そうだ。さつきさん。これを頭に」


「……………………………」


頭に秋桜の花をさした。さつきさんはほとんど心がなくて無表情で無言だった。


「それは秋桜。私にとっての秋桜は愚かの象徴なの。今までの生け贄にもその花を与えているわ。もしかしたら枯れてしまったか紅く染まった秋桜を見るかもね」


何も話すことの無い廃人形に説明するのは嫌ね。

大きな分厚い扉を開けて一度外に出た。外とは言っても渡り廊下でここから森へ出ることは出来ないのだけどね。


この先には秋桜等を育てている温室とそのさらに先に生け贄を置いておく牢があるわ。牢をこんなにも離している理由は館や温室に腐臭が匂わないようにするためよ。