「やっべ、これ。目がスースーするんだけど」
「でしょ?これで眠気覚まし効果はバッチリだね」
キャップを閉めてポケットに戻すと、コスメボックスから秀真に貰ったヘアピンを手に取って分けた前髪を留めた。
「お前ら、相変わらず楽しそうだね。おはよ」
ラフな格好して向かいの部屋から出てきたお兄ちゃんが、笑いながらドアの前に立つ。
「おはよう、お兄ちゃん」
「祥ちゃんこそ、相変わらずカッコいいな!」
「そりゃ、どうも」
「お兄ちゃん、今日は一限からじゃないっけ?」
「だからこれからリビングに降りてってゆっくりするんだよ。お前らも飲むか?ホットだけど」
「飲む飲むっ!俺、祥ちゃんが淹れてくれるコーヒー好き」
秀真は嬉しそうに返事すると、お兄ちゃんの後をついていくように下りて行った。