「悠、こっち向いて」


諦めが悪くてごめん。

未練がましくてごめんね?


でも、これが最後だから――…



「目を見て、伝えたいことがあるの」


悠はゆっくりと振り返った。


「……さっきも言ったけど、悠と付き合ったことは後悔してない」


悠が黙ったまま、私を見つめる。


「でも悠に消し去りたいぐらい後悔してる、もう思い出したくもないって言われて凄くショックだった。思い出と言うよりもあたし自身が否定されてるみたいで辛くて。だから、私もこのままじゃ悔しいから、一発殴らせて」

「は?」


キョトンとする悠。


「お前が伝えたいことってそれ?」

「そうだけど何?」

「一発殴らせてって……何じゃそりゃ」

「いいから殴らせて。そしたら気が済むから!」


悠は拍子抜けするが、はぁと小さく溜息吐いた。