「それに秀真とは付き合ってない!秀真が傷つくって言ったけど、捨ててほしいと思ってるのは悠の方なんじゃないの?」
「は?」
「私のことが嫌いだから……、だから一緒に写ってる写真を残しておきたくないんでしょう?」
どうしてこんな言葉しか出ないんだろう。
“捨てたくない。まだ好きだから”
そう言いたいのに……。
「ああ、そうだよ。明里の言うとおり、そう思ってんのは俺の方だ。こんな写真、見たくもねえ!」
――――え、
「ちょっと!勝手に何してっ……」
「うるせえ!」
「……っ、」
怒鳴り声に身を縮める。
悠はそのページに貼ってあったクリスマスの写真を全部剥がしてしまった。
「なあ、明里。俺が今一番思い出したくない過去って何だと思う?」
「え……?」
「分からないなら教えてやるよ」
悠はこちらを向くと、手の中の写真をギュッと握り潰した。