“マズイ”と思ったのも束の間。

悠は窓に足を掛けると部屋まで入ってきた。


「去年のクリスマスの写真?」

「さっき祐実がそれを見てて……」

「お前、まだこんなの持ってたの?」


悠の顔が険しくなったのを見て、すぐに仕舞えばよかったと後悔。


「……持ってたら可笑しい?」

「可笑しいっつーか、普通捨てんだろ」


悠は祐実と同じことを言う。


「捨てろよ。秀真と付き合ってんだろ?」

「それはっ……」

「もしこれをアイツが見つけたらどうすんの。アイツのことだから傷つくに決まってんだろ」

「――ッ、捨てないよっ!だってそれは大切な思い出だもん!」


悠との思い出を捨てたくない。