「何?」
「……えっと、あのね」
呼び止めたものの何も用はない。
「――そうだ。お前に貸しっ放しのCDあるだろ?あれ、返してほしいんだけど」
どうしようかと思っていると、先に口を開いたのは悠だった。
「あ、あれね!持ってくるから待ってて」
「部屋に居るから窓からちょうだい」
悠はそう言って先に戻っていく。
急いで部屋に戻り、コンポの上の2枚のCDを手に取る。
“コンコン”
窓を開けて悠の部屋の窓を叩く。
「ずっと借りっぱなしでごめん」
そう言ってCDを手渡した時、悠が何かに目をやった。
「……何それ」
悠が目にしたものは机の上のアルバム。