「女って……お兄ちゃんの彼女とか?」


祐実に代わって聞く。


「女って言っても集団だけどな」


そう言われて事の状況を把握する。

つまり“女の子に囲まれた”ってことね。


よく卒業式とかでボタンください!っていうあの状態。


「さすがお兄ちゃん……大学行ってもモテモテだね」

「ボタンつけ直してもらっていい?」

「後でやるから置いといて」


私がそう言うと、お兄ちゃんは頷いた。

祐実は話を聞いてホッと肩を撫でおろした。


「あの、先輩。そのボタン付け、あたしがやってもいいですか?」

「祐実ちゃんが?」


お兄ちゃんは祐実の言葉に目を丸くする。