「祐実ちゃん、来てたんだ」
「ハイ。お邪魔してます!」
祐実が元気よく答えると
「いつも明るくて可愛いね」
お兄ちゃんは笑いながら祐実の頭を軽く叩いて、リビングに入っていった。
「きゃあっ!祥吾先輩に頭撫でられた!」
とハシャぐ祐実。
……やっぱり飼い犬と飼い主だ。
「祥吾先輩と毎日一緒とか、明里ずるい!」
「兄妹なんだから当たり前でしょ」
「はあ~来てよかった」
祐実は浮かれ状態で余韻に浸る。
「そういえば、さっき悠と会った」
「え?悠に?」
「何か女と一緒だったけど」
冷蔵庫から取りだした水を飲みながら、お兄ちゃんが言う。