「お邪魔します!」
――放課後。
ご飯食べたりカラオケ行った後、祐実がお兄ちゃん目当てで家にやってきた。
「久しぶりに明里の部屋入ったけど、相変わらず女の子って感じの部屋ね」
ベッドに腰を下ろし、祐実は枕元のクマのぬいぐるみを抱きしめる。
「……あ、まだアレ持ってたの?」
とタンスの上に並ぶ2つのぬいぐるみを指差す祐実。
「捨てられないよ……」
これは悠との初めてのデートの時に、私のために買ってくれたものだから。
「ってことはもしかして」
祐実は立ちあがるなり、本棚のアルバムに手を伸ばした。
「やっぱり大事にしてるし」
とアルバムに挟まれた写真を見て言う。